イベント情報(2014/11/1) 
代表が4代目に引き継がれました!活動の幅を広げて積極的に活動していきたいと思います!
今後ともよろしくお願いします!!

2011年12月4日日曜日

狩猟見学ツアーのご報告

先日、狩り部4人ほどで2泊2日の狩猟見学ツアーに行ってまいりました。ってか、11月の活動なのに報告が12月とか、すみません。
1日目は、鳥撃ちの単独猟を見学させていただきました。河原や山中を、2頭の猟犬(甲斐犬と、コーギーのボディープランに甲斐犬柄の雑種犬。どちらもかわいいしお利口さん)を連れて歩きます。しかし、見つかるのはシカの足跡ばかり…。でも、狩猟気分を味わえて、なかなか楽しい体験でした。 鳥は取れませんでしたが、ハンターさんが巨大なアンコウを用意してくださっていて、夕食は近所の方々も招いてなかなか豪華なことになりました。アンコウは、ハンターさんの華麗なつるし切りで、おいしいお鍋になりました。胃袋からは、ノドグロやキンメダイ、キスなどが続々出てきて、山の中なのに海の食物連鎖を目の当たりにしました。ご馳走様でした。ほんとにおいしかったです。
二日目は、イノシシ巻き狩り猟を見学させていただきました。早朝に集合で、まずはイノシシの痕跡さがしから始まります。この作業を見切りというそうですが、この狩猟グループは見切りを非常に大切にしているそうで、そのため狩りの成功率は非常に高いそうです。見切りにも同行させていただいたのですが、ああ、なんとなくイノシシっぽいかな…とか、私にはそのくらいしかわからない足跡やぬた場の痕跡、寝屋の跡から、今イノシシがどこに、何頭いるのか、が猟師さんたちには手に取るようにわかるらしいのですね。すごいなあ、とひたすら感動してみていました。 その情報を無線でやり取りして、その日の猟の段取りが決まります。リーダーの指示に従い、ハンターさんたちがそれぞれの持ち場に配置されます。自分は、傾斜地の上のタツ(待ち伏せポイント)にハンターさんと待機。ちょっとでも音がするとイノシシに気付かれちゃうからね、と言われ、ドキドキしつつ木の根元に体育座り。無線からは、何やら緊迫したやり取りが聞こえてきます。 待つことしばし。やや遠くで銃声が響き、藪がガサガサいう音が聞こえた?と思った次の瞬間、ハンターさんが発砲。うおお、かっけえ! 命中の瞬間は残念ながら見えなかったのですが、イノシシが崖を転がるように降りていくのが見えました。倒木に引っかかって止まり、動かなくなったイノシシに猟犬たちがおめめをハートにして飛びつきます。このわんこたち、イノシシを食べたくて突っかかっていくらしいです。ワイルドでかっこよく、そして有能なわんこたちです。私も降りて行って見ると、銃弾はセオリーどおり、アバラ3枚目に命中していました。凄い。 ここからは肉をおいしく食べるための作業が始まります。 まずは頸動脈を切り、血抜きをしなくてはいけません。やってみる?とナイフを渡されます。うおお、やってみたかったんだよね、これ。ナイフで首のあたりを探ってみますが、どうもよくわかりません。切り口を下にして、ハンターさんがぐいぐい足で押しますが…ちゃんと切れていなかったのか、さほど血は出ません。まあいいでしょう、ということで、今度は河原に移動してきれいに洗い、内臓を出します。ハンターさんが小ぶりなナイフを繰ると、まるでバターを切るように滑らかに切れて、真珠色のきれいな内臓が出てきます。心臓に銃弾が入っていました。うわー、クリーンヒットかい。 今度は捌く施設に移動して、イノシシを本格的にお肉にしていきます。まずは皮むきから。また、やってみる?と言ってもらえたので、わーい、これもやってみたかったんだ!と張り切ってナイフを受け取りますが、これがなかなか難しい。イノシシには分厚い皮下脂肪があり、それを肉側に残すようにしなければならないのに、脂肪組織はどうにも切りにくく、どうしても皮側に脂肪が残ってしまいます。真っ白な脂肪と取っ組み合っているうちに、手が揚げたように脂っこくなっていきます。ギブアップしてハンターさんにナイフを返すと、これは同じナイフ?というくらいさくさくと皮がむけていきます。皮がむき終わると、今度はどんどんバラしていきます。レゴブロックを外すように、お肉の塊がぼこぼこ外れていきます。関節を上手に切っていけば、イノシシだってナイフ一本でさばけるのだそうです。それにしても、速い。背骨も手ごろなサイズにカットして、解体は終了。足先や頭、皮は猟犬たちのご飯になるそうです。 ふと気づくと、我らが部長がお肉の分配作業をしていました。考えてみれば、こんなに大量のお肉を見たのは生れてはじめてです。手伝いに行くと、お肉はまだほんのり暖かです。そうだよな、お肉は冷たいのがデフォルトじゃないんだよな。 内臓は別働隊が処理して、すでに調理済み。お肉を参加者で分けると、モツ煮込みやらモツ炒めやらで宴会となります。スペアリブやら背骨やらの煮たやつも、どこかから出てきます。 話が前後してしまいますが、イノシシを見て、最初に思ったのは、すごいきれいな蹄をしている、ということでした。動物園にいるような動物は、どうしても運動量が少ないので、爪が擦り減らずに伸びすぎて変な形になったり、放飼場の土や糞が詰まって見るからにばっちい感じだったりもします。でも、このイノシシは、さすが野山を駆け回っているだけあって、きれいな蹄をしているんですよね。そう思って体全体を見てみれば、毛並みもすごくいいし、スタイル良くて何やら健康的。で、何を言いたいかというと、そんなイノシシがおいしくないはずないんですよね。普段は肉の脂身はあまり好きでない自分も、100%脂身部分がすごくおいしいと思いました。脂が甘い、という感覚が初めてわかりました。モツはもう、言うに及ばず。超絶おいしかったです。
狩猟に接したことがない人が狩猟について考えるとき、どうしても、生き物を殺す、というネガティブなイメージが先行してしまいます。でも、狩猟というのはそれだけじゃないんだなあ、と思えたのが、今回の大きな収穫でした。仲間とわくわくする時間を過ごすこと、賢い動物との知恵比べに勝利すること、自分の技術を磨くこと、そしてそれを次の世代に伝えること。それはきっと、すごく楽しい。殺して、食べる、ということの間にまだ、こういう楽しいことが挟まっているんだな、と思うと、なんだかうれしくなりました。

お土産に頂いたお肉は、とりあえず焼いて食べました。すっごいおいしかったです(まだありますが)。聞くところによると、イノシシ肉は、妊娠経験のない雌を、年内に取ったもの、が一番おいしいらしいです。ってか、これじゃん。家族も、豚肉観が変わる衝撃のおいしさだといっていました。近日中に友人にも食べさせたいと思います。本当にありがとうございました。
なんだかまとまりのない文章ですいません。すごい長いし。最後になりましたが、この場をお借りして、お世話になった皆様方に御礼申し上げたいと思います。

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