こんにちは。1年酒居です。報告が遅くなってごめんなさい。
去る7月30日、長野県主催の「シカと狩猟を考えるシンポジウム」に行ってまいりました。自分が将来狩猟許を取るにあたって、親にも狩猟についての基本的な知識を持っていてもらったほうがいいかなと思い、ジビエ試食会をダシに、両親も連れて行きました。
会場に着いたら時間があったので、猟友会の方主催の狩猟シュミレーションをやらせてもらいました。これは、スクリーンのイノシシやクマを、シュミレーション用の散弾銃で撃つというもので、臨場感たっぷり。クマとか手負いにしてしまうと、こっちにずんずん向かってくるので、非常に怖いです。ゲームオーバーになると、猟友会のおじさんに「はあーい、かじられましたねー」とコメントされます。
私はイノシシでやらせてもらいました。実際に銃を持ってみると、すごく重かったです。腕がふるふるしました。なので全然当たりません。なんとかイノシシ一頭仕留めることができましたが、これで反動が付いたら、自分は玉と反対方向に飛んで行ってしまいそうです。軟弱だなー自分。体鍛えなくちゃなー。
12時からジビエ試食会となりまして、竜田揚げ、燻製、ローストを食べさせていただきました。ロースト、まじおいしかったです。この場を借りて、鹿食免振興会の方々にご馳走様を言わせていただきます。
講演の内容としては、最初に梶先生の「狩猟が果たす野生動物管理への役割」次に長野県の野生鳥獣対策室の「第3期ニホンジカ保護管理計画の概要と捕獲促進のための方策について」最後に、鹿食免振興会 中沢源雄氏「鹿食免によるシカ肉活用の取り組みについて」でした。
狩り部的には前2つは目新しい内容ではありませんでしたが、家人いわく、「狩猟なんてただの娯楽で、獲っちゃいけないような気がしてたけど、獲ったほうがいいなんて、卵立てられちゃった気分だよ」とのことでした。卵はコロンブスの卵ですね。
「鹿食免によるシカ肉活用の取り組みについて」は、山師張りっぷりが楽しい講演でした。
鹿食免(かじきめん)とは、諏訪大社発行の狩猟の免罪符のことで、袋の裏側の説明によれば、
前世の因縁で宿業の尽きた生物は
放ってやっても長くは生きられない定めにある
したがって人間の身に入って死んでこそ
人と同化して成仏することができる
殺生は罪悪として狩猟を忌み嫌う時代にも
お諏訪様から神符を授かったものは
生きるために鹿肉を食べることが許されました。
こうした信仰により諏訪の人々は
長く厳しい冬を乗り越えてきたのです。
この「鹿食免」「鹿食箸」は
諏訪大社とともに時代を生きた先人たちに想いをはせ
皆様が今の豊な時代に感謝し
安全な食生活を送れることを記念し奉製してあります。
とのこと。(鹿食免・鹿食箸セットで1000円也。頂いて帰りましたとも。)
その鹿食免にちなんだシカ肉流通で地域活性化を図ろう、という趣旨の講演でした。獣医学科の自分は、経済的な面から狩猟を考えたことがなかったので、非常に興味深かったです。
鹿食免ブランドのシカの味噌煮と大和煮の缶詰も買って帰りました。ご飯のおかずに最適。おいしいです。
知識があればあるほど分からなくなってしまいますが、狩猟に関して何も知らない人がいるということ、そういう人たちにこそ、知ってもらわねばならないということを考えさせられる一日でした。
とても楽しい投稿をありがとう!
返信削除確かに、一般の人の狩猟への認識は30年分くらい遅れてしまっていますね。すると、専門家レベルで野生動物管理が認知されたのが90年代なので、2020年台には一般の人もぼんやりわかってくれるかも。
僕の両親はかなり前から洗脳済み(笑)なので、実家に帰っても話題に違和感がないのですが・・・
ウチの部員さんたちには、将来の職場などで狩猟の意義を普及啓発してくれることを期待していましたが、それ以前に、家族という格好の練習相手がいると気づかされました。
シンポジウムはどうしても、興味のある人ばかりが集まる傾向にありますので、酒居さんのように身近な素人を連れてくることはとても重要ですね。主催者も聞いて喜ぶことでしょう。
「銃砲所持への第一ステップ」として、「家族を狩猟関連のシンポに連れて行く」を追加しておきます!