狩部のみなさん、初めまして。幽霊部員をずっとしていたOBの梅です。
この度は、seto氏にお誘いいただきイノシシの巻狩猟を見学させていただきました。
朝5時に集合し、ハンターさんの車で山梨まで行きました。
現地の集合場所には、ハンターさんがぞろぞろと集まってきており、
なんだか緊張。そして出発へ!
まずは、車で移動し、「見切り」という作業をしました。
簡単に説明すると、山の周りを移動しながら獲物の足跡を探します。
足跡からは動物の種類、新旧、移動の向き、獲物の大きさなどの情報が得られ、
複数の足跡から獲物がどこで寝ているかまで大体の見当がつくそうです(驚き)
イノシシの足跡。
そして、大体の見当がつくと、どこから山に入るのかが決まり、
銃を持ったハンターさんがそれぞれの持ち場につきます。
自分は後輩のM君と一緒にリーダーについていくことになりました。
猟犬を連れて尾根を登っていくと、見晴らしの良い稜線につきました。
すると、「ここで待機しているように」と言われました。
しかし、全てが初体験なので自分の役割が何なのか分かりません(汗)
何をしたらよいか尋ねると、
「イノシシが来たら棒切れでひっぱたいて、
ハンターのいる方向へ追いやってくれ!」と言われました( ̄ー ̄;
クマスプレー持ってくるべきだったと、少し後悔(笑)
そして、リーダーと後輩のM君は山の中へ消えていきました。
しばらくすると、猟犬がウォンウォン吠え始めました。
猟犬は匂いのレールに乗ってイノシシが潜んでいる「寝屋」に向かうそうです。
この時点で、無線を通してハンターさん同士の濃い会話が繰り広げられます。
ハンターさんには番号が振られていて、お互いを番号で呼び合います。
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「上のあたりから巻いてるな」
「おう・・分かってる(小声)
こりゃあ・・3頭はいるなぁ。」
・
・
・
「出たか?出たんべ??」
「おきた おきた(小声)」
「くるぞ!くるぞ!!」
「〇番くるぞ!」
「・・・。あいよ(小声)」
バンッ!バンッ!バンッ!!
冷たく乾いた空に銃声が鳴り響きました。
さらに、
「大きいぞ!
☆〇■×▽△〇! 気をつけろ!!」
「なんだか分からねえが、上でゴソゴソいってる(ささやくように)」
バン!バン!!
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そんなこんなで、イノシシは僕の前に現れることなく狩りは終了。
獲ったイノシシを山から引きずり下し、イノシシは鮮やかに解体されました。
凍えるほどの寒さの中、解体をお手伝いしましたが、
さっきまでは、生きていた命はまだ温かく、なんだかえらく感動してしまいました。
そして、夜は宴へ!
ビールと一緒に食べるシシ汁とモツ炒めは物凄く美味しかったです。
そして、ありがたいことにただの見学者だった僕も頭数に入れて頂き、
お肉も持ち帰ることができました。おいしく頂こうと思います。
「いただきます」とは、料理を作ってくれた人に対しての言葉だけではなく、
「命をありがたくいただきます」という感謝の言葉なのでしょう。
さて、狩猟の意義とは何なのでしょうか。
狩猟は前時代的で野蛮なことなのでしょうか。
一般の人が持つ狩猟者のイメージと実際は、
かなり乖離していると僕は思います。
なぜなら、僕自身も大学でwildlife managementに出会う前は、
狩猟に対して負のイメージを持っていたからです。
現代人は、自ら生き物を殺生することはほとんどなくなりました。
スーパーで切り身になっているお肉やお魚を見ても、
そこに生と死があったことなど、なかなかイメージすることができません。
また、人を含めたすべての生き物は
大きな自然の恵みを利用して生活をしています。
そのことをいまの現代社会で認知するというのは、
とてつもなく難しいことなんだと僕は思います。
命の大切さや自然のありがたみを本当の意味で学ぶことができる
一つのツールが狩猟なのではないかと、僕は考えています。
ハンターさんが、“獲物は山の恵みだ”と言っていたのが印象的でした。
世はエコブームの真っ只中ですが、
本当の意味で自然と人を結びつける行為が
狩猟なのでしょう。
「人はその土地に生きる他者の命を奪い、その血を自分の中に取り入れることで、より深く大地と連なることができる。そして、その行為をやめたとき、人の心はその自然から本質的に離れてゆくのかもしれない。 ― 星野道夫」
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