イベント情報(2014/11/1) 
代表が4代目に引き継がれました!活動の幅を広げて積極的に活動していきたいと思います!
今後ともよろしくお願いします!!

2010年6月22日火曜日

国際シンポジウム「野生動物管理の担い手:狩猟者と専門的捕獲技術者の育成」

七月に、海外から狩猟研究者をお招きしてのシンポジウムが開催されます。
野生動物管理の担い手を育成する狩り部としても、いっちょ喋らせていただきます。
文部科学省特別教育研究経費(連携融合事業)国際シンポジウム
「野生動物管理の担い手:狩猟者と専門的捕獲技術者の育成」
日時:2010年7月17日(土)9:30~17:50
会場:東京農工大学農学部本館講堂
主催:東京農工大学
共催:岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター 森林総合研究所
後援:環境省・林野庁・横浜国立大学COE・野生生物保護学会・日本哺乳類学会・日本生態学会(いずれも予定)
趣旨
近年、ニホンジカやイノシシなどの大型獣の分布拡大と個体数の増加により、農林業被害が激化しています。とりわけニホンジカは、天然林の更新阻害や国立公園などの自然植生に悪影響を与え、希少種の絶滅をもたらすなど生物多様性を脅かす存在となっています。一方、野生動物の管理の担い手である狩猟人口は激減の一途をたどり、狩猟システムの崩壊は目前にせまっています。これらの解決に向けて、本学では、文部科学省の特別経費の助成を受けて、平成21年度から地域と連携して研究・教育・人材育成を進めながら、生態学と社会科学を統合した野生動物管理システムの開発を行っています。
本シンポジウムは、農林業被害を低減し、生物多様性を保全するために必須な狩猟システムの維持発展と専門的捕獲技術者の育成にむけて、現状と課題についての共通認識のもとに今後の展望を得ることを目的としています。
プログラム
9:00 受付開始
総合司会:戸田浩人 (補助:林好美)
9:30~10:00
開会挨拶
趣旨説明:梶光一(シンポジウム議長)
第Ⅰ部 専門的捕獲技術者の必要性 (座長:梶 光一)
10:00~10:30 講演1「個体数管理体制の発想転換」
岐阜大学教授 鈴木正嗣
10:30~11:30 講演2「管理捕獲のプロフェッショナルとは:White Buffaloの活動概要」(仮題)
White Buffal. Inc代表 Dr. DeNicola
11:30~12:10 講演3「ここまでできる個体数管理:カワウにおけるSharp-shooting」
㈱ イーグレット・オフィス代表 須藤明子
(昼食 1時間休み)
13:10~13:40 議論 (進行:吉田剛司)
第Ⅱ部 将来に向けた人材育成の方向性 (座長:鈴木正嗣)
13:40~14:10 講演4 「日本における狩猟技術者の育成の現状と課題」
森林総合研究所 八代田千鶴
14:00-15:00 講演5 「ドイツにおける狩猟者と専門的捕獲技術者の育成(仮)」
Tecnische Universitaet Muenchen (TUM) Dr. Markus Schaller
(休憩20分)
15:20-15:50 講演6「新人ハンターと専門的捕獲技術者の育成」
酪農学園大学 講師 伊吾田宏正
15:50~16:20 講演7「島根県美郷町の取り組み:駆除組合の設立」
島根県美郷町役場産業振興課 安田亮
16:20~16:30 講演8「狩り部の目指すもの」
農工大学大学院修士1年 瀬戸隆之
16:30~16:40 コメント
北海道大学教授 近藤誠司
総合討論(小泉透+松田裕之)  16:40~17:40
閉会挨拶 17:40~17:50
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懇親会 18:00~20:00

2010年6月4日金曜日

(終了)公開フォーラム「ヒューマンエラーの複合として見た獣害~なぜ起きる?どう防ぐ」

下記のフォーラムですが、本日終了しました。
「過去の概念に囚われず、今自分に出来ることを、最高に楽しくやっていこう」というメッセージを感じました。
若者もお年寄りも、やりがいを持って農業が出来る地域づくりを『狩り部』もお手伝いしていきたいを思います。
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■第8回野生動物管理システムフォーラム(終了しました)
井上雅央氏(近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム専門員)
「ヒューマンエラーの複合として見た獣害~なぜ起こる?どう防ぐ」
・日時:2010年 6月11日(金) 16:30~18:00
・場所:東京農工大学農学部 1号館-11教室
※フォーラム終了後、懇親会も行われます。奮ってご参加ください。

【要旨】
獣害に限らず、農業分野ではしばしば遅霜などの気象要因、いもち病やハダニ、アブラムシといった病害虫などが生産の妨げとなる。被害防止を考えるには、農家が展開する農業を個々の生産システムと認識し、遅霜、病害虫、野生獣を生産システムに侵入する支障
要因と位置づける。このことにより、被害とは支障要因に対するシステムの欠陥が露呈した状態と認識することが出来る。雪に弱い新幹線、ハエの多い台所、シカに弱い水田、サ
ルに弱い家庭菜園といった場合、問題は雪、ハエ、シカ、サルにあるのではなく、システム側にある。被害防止とは、ある支障要因に対して脆弱なシステムを信頼性の高いシステ
ムに改善する作業に他ならない。また、被害が発生するシステムに問題があるだけでなく、
周辺に数多くのそれ自体は欠陥が露呈しないまま被害を助長し続けるシステムが存在する
場合も少なくない。当該システムや周辺システムの欠陥をすべてヒューマンエラーと見な
して、個々のエラーがどのように複合することで被害が発生するかを解明することが対策の第一歩である。獣害を助長する周辺システムとしてここでは林道を、また獣害を受ける
当該システムとして高齢者の自家用菜園を例にどのようなエラーが侵入するかを考えてお きたい。
林道の開設前に行われているアセスメントでは、希少動植物の調査のみで、開設後の餌源変化に関する提言が欠落は皆無と言ってよい(エラー1)その結果標高差のある帯状のオープンランドが切り開かれる(エラー2)。開設で生じた大面積の法面には寒地型の牧草種子が吹きつけられる(エラー3)。秋期の路肩刈り払い作業で、厳冬期に帯状の緑
草帯を出現させる(エラー4)。出没した動物を脅すことなく通り過ぎる(エラー5)。こ
れらのエラーが複合し、林道は理想的な野生獣餌付け増殖システムとして稼働し続けてい
るが、野生獣の増殖で林道システムそのものが脅かされるわけではない。これらのエラー
のうち、エラー2はやむを得ないとして、その他はいずれもわずかな配慮で改善が可能で あり、
エラー4は、刈り払いの時期を考慮するか刈り払い回数を削減するだけで良いなど
の対策が見えてくる。次に当該システムをみると、かっては手入れされた庭先果樹などを放任する(エラー1)。
収穫物は防護するが残渣は食餌を許容して放置する(エラー2)。
圃場への野生獣の執着心を強化し柵の効果が消失するような、圃場設計や野菜の配置を継続する(エラー3)などのエラーが繰り返され、被害が拡大再生産され続けている。こうしたエラーは、原因が動物側でなくシステムの欠陥であることを理解してもらい、各システムへのユニバーサル
デザインの導入と圃場のフェイルセイフ化の具体的技術を提示することで
排除が可能である。農家の目的は獣害対策ではなく、収穫であり、生産者が各システムの
許容コスト内で被害防止を実現するようなシステムの改善手法を提示することが自立的な
住民を育て、集落の活性化につながることをふまえ、住民自らが喜々として対策に取り組
めるような技術開発や啓発が研究、行政に課された責務であると考える。